紫外線のUVAがシワの原因を作るという話は前回しましたが,シミの原因はUBVが関係しているっって知ってますか?
B波とも呼ばれるUVBはA波のUVAに比べて波長が短いため、ほとんどが外側の表皮ましか届きません。
ところが、UVBは遺伝情報を伝えているDNAに吸収されてダイレクトにダメージを与えます。体は破壊されたDNAを急いで修復しようとします。
火事の発生現場に消防車が集まるように、UVBを浴びた部分には免疫などに関わるさまざまな細胞が集まり炎症が起こります。これは、ミクロレベルの火傷のようなものです。
真夏の海水浴などで激しく日焼けをすると肌が真っ赤になったり、水ぶくれが生じたりしますが、これは主にUBVによる急性の炎症によるものです。
3日~10日間ぐらいで急性の炎症が治まると、皮膚が黒くなります。これは炎症作用により、表皮の基底層に並んでいるメラノサイトが刺激されたため、メラニンという色素の生成が増えるからです。
メラニンはケラチノサイトに吸収されると、その細胞核を覆うようになります。メラニンは紫外線を効率的に吸収し、紫外線の害から細胞核に収めるDNAを守ってくれます。
太陽光から頭部を守る麦わら帽子のようなものなのです。メラニンが増えるとUVBの侵入はブロックされてDNAは守られますが肌の色は濃くなります。それは数カ月も続く場合もありますが、それでもいずれ元の皮膚色に戻ります。
表皮のケラチノサイトはおよそ1カ月で入れ替わりますから、興奮状態でメラノサイトがメラニンをしばらく作り続けたとしても、どんどん排泄されてしまうからです。
こうして夏の日焼けはひと夏の恋のように秋、冬になると消えていくのです。
しかし、日常的に大量のUVBを浴びるような生活をしていると、何らかの原因で特定のメラノサイトがメラニンを作り続けるようになります。
すると表皮が新陳代謝を何度繰り返しても、そこだけは色素沈着が継続します。これが光老化でシミが増えてくる原因になるのです。
これまでの説明ではUVAはシワ、UVBはシミという具合に単純化しましたが双方ともシミやシワになる原因です。
このほか、UVBによる炎症は表皮の新陳代謝のサイクルを狂わせて、早めてしまいます。すると未熟な細胞が作られるようになり、肌荒れの一因となります。
紫外線を浴びる時間が長くなるとその害から体を守るために表皮が厚くなります。表皮は薄ブ過ぎてもブロック機能が低下してマイナスですが、厚くなり過ぎると皮膚全体の弾力性と柔軟性が低下します。
紫外線って怖いですね。綺麗なお肌を保つには紫外線は大敵なんですね!!
引用 『病はケから』著 小林一広